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原因不明不妊という時代の中で ~病因に向き合わない医療の功罪~

2025/11/29

現代の不妊医療において「原因不明不妊」という言葉は、ごく当たり前のように使われています。しかしこの言葉は、本当に「原因が分からない」状態を正確に表しているのでしょうか。あるいは、私たちは「原因を問わなくても結果を得られる時代」に生きているがゆえに、原因から目を逸らしているだけではないでしょうか。

原因は必ず存在する

病気や不調には、必ず原因があります。
それは先天的なものかもしれないし、後天的なものかもしれない。後天的な原因は、東洋医学的に言えば「外因・内因・不内外因」のいずれかに必ず分類されます。西洋医学であっても、本来は遺伝、環境、生活習慣、心理社会的要因などを含む多因子モデルを前提としています。

重要なのは、「原因が特定できるかどうか」と「原因が存在するかどうか」は全く別の問題だという点です。原因が分からないからといって、原因が存在しないわけではありません。

「原因が特定された」とは何を意味するのか

現代医療では、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)や高プロラクチン血症といった診断名がつくと、「原因が特定できた」とされます。しかし、ここで一歩立ち止まって考えてみたいのです。

なぜPCOSになるのか。
なぜプロラクチンが高くなるのか。

これらの問いに対して、医学はまだ決定的な答えを持っていません。遺伝的要因、胎児期環境、生活習慣、ストレス、神経内分泌の微細な調節異常など、仮説は存在しますが、「これが原因だ」と言い切れるものはありません。

つまり、PCOSや高プロラクチン血症は「原因」そのものというより、現時点で医学が設定している説明のためのラベルに近いといえます。
「原因が特定された」とは、病因が解明されたという意味ではなく、治療方針を立てるための分類ができたという意味にすぎない場合が多いということ。

自然妊娠しかなかった時代の医療

自然妊娠しか選択肢がなかった時代、現代とは、不妊に対するアプローチは根本的に異なっていました。妊娠という結果を得るためには、体そのものの状態を変えるしかなかったのです。

・生活を整える
・食事を見直す
・過労やストレスを減らす
・心身のバランスを回復させる

東洋医学が発達した背景には、このような「病因に働きかけるしかない医療の必然性」がありました。

生殖医療がもたらした構造的変化

現代では、状況は大きく変わりました。

排卵しない → 排卵誘発剤
PCOS → 排卵誘発剤
精子が弱い → 顕微授精
着床しない → 移植回数を増やす

つまり、病因に手を付けなくても、妊娠という結果だけを得ることが可能になったのです。これは医学の進歩であり、多くの人を救ってきたことは疑いようがありません。

しかし同時に、これは歴史上初めて、「不健康な状態のままでも妊娠できてしまう」医療構造を生み出しました。

諸刃の剣としての不妊医療

この構造は、まさに諸刃の剣といえます。

良い面としては、年齢や体質の壁を越え、これまでなら子を持てなかった人が妊娠できるようになったことが挙げられます。一方で、病因に向き合わなくても「成功」してしまうため、医師も患者も「なぜそうなっているのか」を問わなくなる危険性を孕んでいます。

排卵していないから排卵誘発剤を使う。
PCOSだから排卵誘発剤を使う。

これは病因治療ではなく、機能の代行・強制に近い行為です。結果として妊娠できたとしても、心身の歪みがそのまま残る可能性は否定できないのです。

「正常化された不健康」という問題

妊娠できた。
出産できた。

それだけで「健康」とみなされてしまうことがあります。しかし、妊娠はゴールではない。不調を抱えたまま妊娠・出産に進むことは、妊娠中の合併症、産後の不調、さらには次世代への影響として現れる可能性もあります。

妊娠できたという事実が、不健康な状態を覆い隠してしまう。
これこそが、現代医療が生み出した「正常化された不健康」の問題といえます。

原因不明不妊という概念の再定義

「原因不明不妊」とは、本来、

十分な検査を行った結果、
現時点の医学では説明できない不妊

という暫定的で可変的な状態であるべきです。

原因がないのではない。
原因が分からないだけである。

この前提を忘れたとき、「原因不明不妊」という言葉は思考停止のラベルになってしまいます。

医療と病因論は対立しない

重要なのは、「医療に頼るか、病因を正すか」という二者択一ではありません。

医療の力を使いながら、同時に病因にも目を向ける。
結果を追いながら、原因を問い続ける。

その姿勢こそが、本来あるべき医療の姿ではないでしょうか。

妊娠は目的ではあるが、健康の代替ではない。
心身を本来の状態に近づける努力を放棄した医療は、短期的な成功と引き換えに、長期的な問題を先送りしているかもしれません。

原因は必ず存在する。
特定できないからといって、存在しないわけではない。

現代の不妊医療は、人類に大きな恩恵をもたらした一方で、「なぜ」という問いを不要にしてしまう危うさも抱えています。今、私たちはもう一度、病因に目を向ける必要があります。

妊娠することと、健康であることは同義ではない。
その当たり前の事実を、医療も、患者も、忘れてはなりません。

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