東洋医学から見た「眠りの整え方」
2025/11/29
東洋医学では、眠りは「脳だけの現象」でも「気合で取るもの」でもありません。
眠りとは、体全体が自然に休息へ向かえる状態になった結果として訪れるものです。
眠れないということは、
「眠ろうとしていない」のではなく、
体がまだ休める状態に整っていないというサインでもあります。

■ 東洋医学における「眠り」の基本的な考え方
東洋医学では、睡眠は次のように捉えられています。
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日中:陽が外へ向かい、活動する
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夜間:陰が内へ集まり、回復する
この切り替えがスムーズに起こることで、
自然な眠りが生まれます。
眠れない状態とは、
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陽がいつまでも外に浮いている
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陰が不足して、体を内側から支えられない
といった、
陰陽の切り替えがうまくいっていない状態と考えられます。
■ なぜ妊活中は眠りが乱れやすいのか
妊活中は、
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将来への不安
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数値や結果への意識
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生活の変化
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頑張ろうとする気持ち
などから、
心身ともに「緊張」を抱えやすくなります。
東洋医学的に言えば、
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気が上に昇りやすい
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肝が張りやすい
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心が落ち着きにくい
状態です。
このようなとき、
体は夜になっても活動モードを手放しにくくなり、
眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりします。
■ 眠りを整えるために大切な3つの視点
① 陽をしっかり使い、夜に手放す
日中に体を使わないと、
夜に休むための「材料」が不足します。
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軽く体を動かす
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日光を浴びる
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外の空気に触れる
こうしたことは、
夜に自然と陽を内側へ戻す助けになります。
② 陰を養う生活を意識する
陰とは、体を内側から潤し、支える力です。
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寝不足が続く
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冷えが強い
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疲れが抜けない
といった状態では、
陰が消耗しやすくなります。
夜は、
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強い刺激を避ける
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食べ過ぎ・飲み過ぎを控える
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情報を減らす
ことで、
陰が働きやすい環境を作ります。
③ 「心」を休ませる
東洋医学では、
心(しん)が安らぐと、眠りが深くなると考えます。
考え事が止まらない夜は、
体ではなく「心」がまだ働き続けています。
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布団の中で答えを出そうとしない
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明日の自分に預ける
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今日を終える合図を作る
こうした習慣が、
心を休息へ導きます。
■ 鍼灸はどこに関わるのか
鍼灸は、
眠りを「起こす」ものではありません。
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緊張した神経を緩め
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巡りを整え
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体が本来のリズムを思い出す
そのための外からのサポートです。
鍼灸によって、
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寝つきが良くなる
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夜中に目が覚めにくくなる
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朝の疲労感が減る
といった変化が現れることがありますが、
それは体が無理なく休める状態に近づいた結果です。
■ 眠りは「頑張って取るもの」ではない
眠れない夜があっても、
それ自体が妊活の失敗ではありません。
眠りは、
体が整えば、自然とついてくるものです。
数字を気にしすぎず、
「ちゃんと眠れているか」ということ以上に、
**「体が少し楽になってきているか」**を見てください。
■ まとめ
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眠りは体全体の状態の結果
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妊活中は緊張により眠りが乱れやすい
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陰陽の切り替えを助ける生活が大切
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鍼灸はその調整を外から支える手段
睡眠は、妊娠のためだけのものではありません。
体を大切に扱った結果として、
妊娠という出来事が、
その延長線上に訪れることもあるのです。
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