不妊治療とうつ症状、そして睡眠の関係について
2025/11/29
不妊治療に取り組む人の多くに、抑うつ症状がみられることは、国内外の研究で繰り返し報告されています。うつ病の代表的な症状には、気分の落ち込みや意欲低下に加えて、「睡眠障害(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒など)」が含まれます。この点を踏まえれば、不妊治療中の相当数の方が、程度の差こそあれ睡眠の質の低下を抱えていると推察することは、決して不自然ではありません。
実際、不妊治療中の睡眠の質について、詳細な統計は必ずしも十分とはいえません。しかし、“逆説的に”次のような訴えは非常に多い印象があります。すなわち、
「よく眠れるようになったら、気持ちが軽くなった」「睡眠が整ったら、自然と前向きになれた」
といった声です。
不妊治療中に生じるうつ症状を根本的に改善する最大の要因は、言うまでもなく「妊娠が成立すること」であるかもしれません。しかし、現実には、それがいつ訪れるかは誰にもわかりませんし、治療の過程そのものがストレスの要因となりえます。
そのため、**妊娠の成立とは独立して“今この瞬間にできること”として、最も現実的で、影響が大きいと考えられるものの一つが「睡眠の充実」**です。睡眠は、気分・自律神経・ホルモンバランスの調整に深く関わるため、治療中の心身の安定を保つうえで、極めて重要な意味を持ちます。
すなわち、直接的な妊娠率を上げるかどうかはともかく、
「良い睡眠を確保することは、不妊治療中のメンタルヘルスを支える中心的な柱になりうる」
という点については、臨床的視点からも大いに妥当であると言えます。
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