鍼をして美しくなろうというものだよ

鍼をすると健康になって、結果として美容にも効果があるということだね

そういうこと。美容鍼というと顔に行う鍼のことをいうようになったけど、それは最近だよ

顔に鍼を打てば、顔面部の代謝が活発になって細胞が活性化される、ということはあるといえばあるんだけど

顔へ鍼を打つことの目的はそれだけじゃないんだ

例えばよく知られている足三里というツボがあるよね

足三里に鍼を打つことの目的は、胃腸の調子を調えたり、全身の気血を補ったり、スネの筋肉の麻痺を治療するなどだ

足三里の周りの肌をきれいにするためじゃない

これは足三里に限ったことじゃなくて、三陰交でも、関元でも、太衝でも、どこでも同じ。打った部分やその周辺の肌をきれいにするわけじゃない

耳ツボ療法も足裏マッサージも同じ。耳や足裏をきれいにするためにやるんじゃない

しかし、顔だけは顔をきれいにするために鍼が行われる

顔への鍼は、直接的に顔の代謝をよくするというよりも、耳ツボや足裏マッサージと同様に全身の調整といった意味あいのほうが大きいと考えられるんだ

とくに顔への鍼は精神的な緊張を和らげるのに効果的だよ

ストレスが溜まったり、精神的に緊張すると顔の筋肉は強ばりやすいからね

代表的なものに、顔面神経麻痺、三叉神経痛（顔面痛）、顎周りの筋肉の緊張による顎関節症や、無意識のうちに歯を噛みしめてしまうことから起こる「かみしめ呑気症」がある

ストレスや緊張から無意識のうちに歯をかみしめてしまうんだ。すると唾が出てそれと一緒に空気を飲み込んでしまい、オナラガ多くなる

ストレスによって、胃腸が正しく働いていないということも起きるね

かみしみ吞気症、これは一種の過敏性腸症候群だね。過敏性腸症候群のガス型

顔へ鍼をするとその効果は全身に波及する、自律神経も調う

そういうこと。だから顔へ鍼をするのもいいけど、全身のツボを使ったほうがより良い

美容のためには、心身の疲労をとる、冷え症を改善する、よく眠れるようにする、といったことがとても大事だよ。お肌のツヤ、ほうれい線、むくみ、くすみ、しわなども、疲れたまま、冷えたまま、眠りが浅いままで、いくら顔だけに鍼をしてもなかなか効果は表れにくいんだ。効果があっても、それは短期的なものだね

冷えていては、お肌の潤いを保つための酸素や栄養が細胞に届きにくい。それと便秘の人は冷え症であることが多いんだ

便は体内で不要となったものでしょ。本来、不要なものは排泄されるはずだけど、それが排泄されないとなると、その影響は皮膚に現れるよ

そういうこと

人にもよるけど、チクッとする程度だよ。心身の不調に悩む人、美容鍼に興味のある人は、一度鍼灸院に足を運ばれるといいですね