植物性油がからだにわるい理由
2023/09/09

上田
馬込沢うえだ鍼灸院院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進

roo
健康に興味のあるネコ
出身地:千葉
好きな食べ物:肉

roo
戦後、日本の食生活は大きく変わりました

上田
はい

roo
日本人は、それまでほとんど食べたことのなかったものを食べるようになりました

上田
はい

roo
調理の仕方も変わりました

上田
はい

roo
和食は、煮る、蒸す、ゆでる、といった調理方法が主ですけど、フライパン運動によって、揚げる、炒める、などの調理法が急激に普及しました

上田
はい

roo
ケーキやクッキー、菓子パンも食べるようになりました

上田
ケーキ、クッキー、菓子パンは植物性油の塊といってもいいね

roo
つまり、日本人は大量に植物性の油をとるようになったわけですが、どうして植物性の油が悪いんでしょう?

上田
摂り過ぎが良くないのは動物性油脂であっても同じだけど、植物性の油はどうしても過剰摂取になりやすい。だから強く指摘されるということだね

roo
植物性油は過剰摂取になりがち

上田
たとえば、トンカツは豚肉(動物性油)と揚げ油(植物性油)。ハンバーグなら挽肉(動物性油)と焼き油(植物性油)。野菜炒めなら炒め油(植物性油)。焼き魚(動物性油)+副菜として炒め物(植物性油)。とこのように、動物性油脂よりも植物性油脂のほうがどうしても多くなるね

roo
ドレッシングやマヨネーズも植物性

上田
そうだね

roo
どうして植物性油はよくないんですか?

上田
植物性油が高温で加熱されると、アルデヒドという物質が生成される

roo
アルデヒド

上田
アルデヒドは高温で熱した植物性油の中で産生するし、この油を摂取すれば体内でもアルデヒドが発生しやすい。このアルデヒドがいろいろと悪さをする

roo
例えば?

上田
アルデヒドは脂溶性で、油との親和性が高いから脂肪成分として吸収される。肝臓やリンパ組織、免疫系に到達して、ここでアルデヒドは細胞膜やミトコンドリア、DNAを酸化させてダメージを与える。これを免疫細胞(マクロファージなど)が感知し、(TNF-α、IL-1β、IL-6など)を放出。TNF-αなどのサイトカイン(細胞間の情報伝達を行う物質)が、本来攻撃していけないはずの自己の細胞を攻撃して、それが炎症を引き起こす。長く続けば慢性炎症となる

roo
具体的にはどんな病気が起こるの?

上田
関節の滑膜がやられれば関節リウマチ、膵臓のβ細胞がやられれば1型糖尿病、中枢神経の髄鞘がやられれば多発性硬化症、中脳の黒質緻密部のドーパミン神経をやられればパーキンソン病、肝臓がやられれば脂肪肝炎、肝硬変肝ガン。脳がやられれば認知機能の低下、アルツハイマー病。血管内皮がやられれば動脈硬化、血管炎、虚血性疾患。肺がやられれば、喘息、閉塞性肺疾患、肺線維症。腎臓糸球体硬化、腎機能低下

roo
たくさんありますね

上田
ほんとにね。血管にも神経にも悪影響を与えて、肝臓へも負担がかかる、代謝障害も引き起こすし、皮膚の老化も早くなる、ガンのリスクも高くなる

roo
このような病気に対して病院ではどんな治療が行われているの?

上田
医者じゃないし詳しいことは知らないけど、免疫抑制や炎症抑制が中心になるみたいだね。つまりステロイドや生物学的製剤が使用される。しかしながら、原因物質(例:アルデヒド)への直接対処はされないみたい

roo
なんで?

上田
なんでだろうね?

roo
変なの

上田
これらの病気で入院したとしても、入院先で植物性油を使った病院食が普通に出される

roo
不思議ですね

上田
1970年代以降、「動物性脂肪=悪」「植物油=善」という構図が長らく支配的だった

roo
ふーん

上田
最新の研究では「過剰なオメガ6脂肪酸は炎症性リスクを高める」と言われているんだけど、現場への浸透は遅いみたい。心筋梗塞などのリスク低下のため、リノール酸(オメガ6)を推奨する指針が根強く残っている

roo
病院なのに

上田
サラダ油や大豆油などは安価だし保存もしやすい、使い勝手がいいんだね

roo
オリーブオイルなどはコスト高で取り扱いも難しいということか

上田
給食は大量調理が基本なので、「現場負担が少ない油」が選ばれやすいんだね

roo
わからなくもないけど

上田
栄養士が管理する「栄養管理計画書」では、油脂の「量」はチェックされても、「質」までは追いにくい。つまり「脂質40g以内」などの管理はあっても、「リノール酸○g以下」といった制限は行われないことが多いということ

roo
つまりテキトー

上田
医学部では栄養学は、多くても数時間程度しか学ばないんだって

roo
大事なのに

上田
現代医学では「炎症性食品」や「腸内環境への影響」を重視する視点が薄い

roo
不思議ですね。真っ先に目が行きそうなのに

上田
現代西洋医学医学は「診断と治療(投薬・手術)」に特化した学問体系だからね。栄養や生活習慣は「予防」の範疇として軽視されやすいんだね

roo
予防も治療も基本はいっしょのはずだと思うけどな

上田
医師個人が「今日から全員にオメガ3中心の食事にしよう」と言っても現実的には不可能だもんね

roo
すぐにやればいいのに

上田
医療制度は「エビデンスが出そろった治療」しか採用しないからね。「リノール酸が炎症を促進する」という研究は増えていても、「除去で病状が改善した」という明確な臨床エビデンスが十分でなければ、標準治療(保険治療)には入らない

roo
患者としたらどうしたら良いですか?

上田
自分で情報を取りに行く姿勢が大事だね

roo
面倒がらずに

上田
自己免疫疾患は、ウイルス・細菌感染、喫煙、大気汚染、紫外線、ストレスなどの刺激が免疫を異常に活性化し、自身の細胞を誤認するトリガーになると考えられているんだけど

roo
いるんだけど

上田
この中に「食べ物」が入っていない

roo
えっ

上田
不思議だよね

roo
それは不思議。なんで?

上田
西洋医学は19〜20世紀に感染症や手術、薬物治療で大きな成果を上げた。一方、「食」や「栄養」は「生活指導」「予防」「代替医療」として周縁に追いやられた

roo
そうなんだ

上田
自己免疫疾患の発症・悪化に「食物が関与している」ということは、東洋医学、分子栄養学・機能性医学などの分野では重要視されているんだけど、現代西洋医学の中心にはまだ位置づけられていない

roo
「現代」西洋医学っていうぐらいだから、一番新しいのかと思ってたけど

上田
そうばかりでもないみたいだね

roo
ふつうに考えれば「食事が大事」って、気が付きそうなものですけどね

上田
食事は大事だね

roo
自己免疫疾患で苦しんでいる人がまだ食の改善をしていないなら、しっかりとやるといいですね

上田
そうだね。希望の光が見えてくるかもね

roo
いつでも希望をもちたいですね
がんや自己免疫疾患など、多くの病気の背景に植物性油の関与が指摘されています。
しかし現代医療では、こうした視点はほとんど知られておらず、病院でも植物油を使った食事が当たり前のように提供されます。
だからこそ、「情報は自分で取りに行く」「自分の健康は自分で守る」という姿勢が、これからの時代には欠かせません。
和食で行こう!