ストレスと体質と病気と

上田
馬込沢うえだ鍼灸院院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進

roo
健康に興味のあるネコ
出身地:千葉
好きな食べ物:肉

roo
ストレスが病気を引き起こすんですか?

上田
そうだね。病気が発症するときは何かしらのストレスがきっかけとなる場合がとても多いね

roo
ストレスはよくないんですね

上田
そうばかりでもないよ

roo
えっ、そうなんですか?

上田
ストレスというのは外部から刺激を受けたときの「心身の緊張状態」のことだから、適度なストレスは必要なものだよ。過剰なストレスがよくないんだね

roo
なるほど

上田
この程度のストレスは大丈夫、と自分では思っていても、長期に渡ると思わぬ病気を招くこともあるから注意しないとね

roo
はい

上田
Aさんにとってストレスになることが、Bさんにとってもストレスになるとも限らない。人には好き嫌い、得意不得意があるからね

roo
大勢の前でしゃべるのが好きな人もいれば、それをすごくストレスに感じる人もいます

上田
肉体的ストレスには強いけど、精神的ストレスには弱いということもある

roo
はい

上田
五臓の「肝」という臓は最初にストレスを受け止める臓だよ

roo
肝がしっかりしていればストレスに耐えられる

上田
そうだけど、無理はダメだよ

roo
無理はいけません

上田
もし肝でストレスを処理できないと、その負のエネルギーは他の臓に向いてしまう

roo
負のエネルギーとはつまりはストレスのことですね

上田
そういうこと。肝は五行でいえば「木」だね。本来上へ上へと伸びていくはずの木は、行く手を遮られることが嫌いなんだ

roo
行く手を遮られた木は、文字通り「困」ってしまいますね

上田
そう。そうなると肝は熱を帯びてくる。これが肝鬱化火の状態でイライラすることが多くなる。

roo
リラックスしないと

上田
その通り。リラックスすることがとても大事なんだけど。これが難しかったりする

roo
現実は厳しい

上田
すると増々熱はひどくなって肝火上炎という状態になる。熱がひどくなるとは実際に体温が上がるわけではないよ

roo
肝火上炎

上田
そしてついには肝火は「心」に飛び火してしまう

roo
肝と心は母子の関係ですね。肝が母で心が子

上田
そう。木が火を生む関係だ。肝火上炎から肝心火旺となってしまう

roo
火の勢いが強くなるんですね

上田
肝心火旺の代表的な症状の一つが不眠だね

roo
寝つきが悪くなるんですね

上田
よく眠れないこと自体は、それを気にしなければあまり問題ではない

roo
気にしなければいいですね

上田
ただ、眠れない状態が長期に渡ると病気になりやすかったり、病気が治りにくくなるのは事実だよ。本来の力を発揮できないから仕事の能率も落ちてしまう

roo
日中に眠くなるなどのことが頻繁に起きれば注意した方がいいですね

上田
そうだね。肝火上炎とは普通ではない状態だから、早めに肝心の火を下ろさないとね

roo
早めが大事ですね

上田
ストレスでお腹の調子が悪くなる人もいるよ

roo
そのような人は多いと聞きます

上田
肝の気が正常なら過食や食欲不振とはならない。これは「木克土」といって、木である肝が土である脾をうまくコントロールできている状態

roo
脾は消化機能のことですね

上田
しかしストレスが強すぎると「木克土」が「木乗土」という病的状態になって消化機能がおかしくなる。これが「肝脾不和」だ

roo
肝脾不和

上田
現代医学的病名でいえば神経性胃炎とか過敏性腸症候群にあたるね

roo
ストレスによって眠れなくなる人もいれば、お腹の調子が悪くなる人もいるんですね

上田
弱い所がやられるよ

roo
はい

上田
眠るために睡眠薬を飲むとか、その場凌ぎのために下痢止めもしくは便秘薬を飲むということも、それはそれで必要な時もある

roo
はい

上田
しかし、それだけじゃなくてストレスに目を向けることが大切だよ

roo
難しいなぁ

上田
まずは、なるべく無理をしないこと

roo
わかっているつもりなんですけどね

上田
それと少々のストレスだったら耐えられるようにしておきたいね

roo
どうしたらいいですか?

上田
正しい食事、質量共に十分な睡眠を心がけよう

roo
体に必要な栄養を取るとか、体に悪い物を食べないとか、やろうと思えばそれはできます。食べる物がとても大事であることはわかっています。でも眠れないから困っている場合はどうしましょう?

上田
そのためには適度な運動も必要かもしれない。鍼灸を利用してもいい

roo
そうですね。できればこじれる前に手を打ったほうがいいですね

上田
そうだね

roo
まとめると
・ストレスが病気のきっかけとなる
・ストレスの受け取り方は人によって異なる
・どんな病気になるかは人によって異なる
・ストレスから肝心火旺になる人もいれば、肝脾不和になる人もいる
というお話でした
・ストレスが病気のきっかけとなる
・ストレスの受け取り方は人によって異なる
・どんな病気になるかは人によって異なる
・ストレスから肝心火旺になる人もいれば、肝脾不和になる人もいる
というお話でした

上田
次回はストレスによる呼吸器や皮膚の病気、腎の不調のお話をします

roo
よろしくお願いしまーす

上田
こちらこそよろしくお願いします
人間の体は千差万別、百人百様です。ストレスで眠れなくなる人もいれば、お腹の調子が悪くなる人もいます。「病い」をみる西洋医学に対して、「人(個人)」をみるのが東洋医学といわれるように、東洋医学は個別の対応が得意です。もちろんすべての人の「基本」となるものはあります。ストレスを溜めない、正しい食事、質量共に十分な睡眠、適度な運動といったものが大事であることは万人に共通してます。病をみることも必要です。しかし、気をつけていても病気になることはあります。病気になってしまったら、早く良くなるために東洋医学の治療が有効です。