心の病に鍼灸マッサージ 2
2026/01/06


2026/01/06
2026/01/06

上田

2025/11/29
現代の不妊医療において「原因不明不妊」という言葉は、ごく当たり前のように使われています。しかしこの言葉は、本当に「原因が分からない」状態を正確に表しているのでしょうか。あるいは、私たちは「原因を問わなくても結果を得られる時代」に生きているがゆえに、原因から目を逸らしているだけではないでしょうか。

原因は必ず存在する
病気や不調には、必ず原因があります。
それは先天的なものかもしれないし、後天的なものかもしれない。後天的な原因は、東洋医学的に言えば「外因・内因・不内外因」のいずれかに必ず分類されます。西洋医学であっても、本来は遺伝、環境、生活習慣、心理社会的要因などを含む多因子モデルを前提としています。
重要なのは、「原因が特定できるかどうか」と「原因が存在するかどうか」は全く別の問題だという点です。原因が分からないからといって、原因が存在しないわけではありません。
「原因が特定された」とは何を意味するのか
現代医療では、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)や高プロラクチン血症といった診断名がつくと、「原因が特定できた」とされます。しかし、ここで一歩立ち止まって考えてみたいのです。
なぜPCOSになるのか。
なぜプロラクチンが高くなるのか。
これらの問いに対して、医学はまだ決定的な答えを持っていません。遺伝的要因、胎児期環境、生活習慣、ストレス、神経内分泌の微細な調節異常など、仮説は存在しますが、「これが原因だ」と言い切れるものはありません。
つまり、PCOSや高プロラクチン血症は「原因」そのものというより、現時点で医学が設定している説明のためのラベルに近いといえます。
「原因が特定された」とは、病因が解明されたという意味ではなく、治療方針を立てるための分類ができたという意味にすぎない場合が多いということ。
自然妊娠しかなかった時代の医療
自然妊娠しか選択肢がなかった時代、現代とは、不妊に対するアプローチは根本的に異なっていました。妊娠という結果を得るためには、体そのものの状態を変えるしかなかったのです。
・生活を整える
・食事を見直す
・過労やストレスを減らす
・心身のバランスを回復させる
東洋医学が発達した背景には、このような「病因に働きかけるしかない医療の必然性」がありました。
生殖医療がもたらした構造的変化
現代では、状況は大きく変わりました。
排卵しない → 排卵誘発剤
PCOS → 排卵誘発剤
精子が弱い → 顕微授精
着床しない → 移植回数を増やす
つまり、病因に手を付けなくても、妊娠という結果だけを得ることが可能になったのです。これは医学の進歩であり、多くの人を救ってきたことは疑いようがありません。
しかし同時に、これは歴史上初めて、「不健康な状態のままでも妊娠できてしまう」医療構造を生み出しました。
諸刃の剣としての不妊医療
この構造は、まさに諸刃の剣といえます。
良い面としては、年齢や体質の壁を越え、これまでなら子を持てなかった人が妊娠できるようになったことが挙げられます。一方で、病因に向き合わなくても「成功」してしまうため、医師も患者も「なぜそうなっているのか」を問わなくなる危険性を孕んでいます。
排卵していないから排卵誘発剤を使う。
PCOSだから排卵誘発剤を使う。
これは病因治療ではなく、機能の代行・強制に近い行為です。結果として妊娠できたとしても、心身の歪みがそのまま残る可能性は否定できないのです。
「正常化された不健康」という問題
妊娠できた。
出産できた。
それだけで「健康」とみなされてしまうことがあります。しかし、妊娠はゴールではない。不調を抱えたまま妊娠・出産に進むことは、妊娠中の合併症、産後の不調、さらには次世代への影響として現れる可能性もあります。
妊娠できたという事実が、不健康な状態を覆い隠してしまう。
これこそが、現代医療が生み出した「正常化された不健康」の問題といえます。
原因不明不妊という概念の再定義
「原因不明不妊」とは、本来、
十分な検査を行った結果、
現時点の医学では説明できない不妊
という暫定的で可変的な状態であるべきです。
原因がないのではない。
原因が分からないだけである。
この前提を忘れたとき、「原因不明不妊」という言葉は思考停止のラベルになってしまいます。
医療と病因論は対立しない
重要なのは、「医療に頼るか、病因を正すか」という二者択一ではありません。
医療の力を使いながら、同時に病因にも目を向ける。
結果を追いながら、原因を問い続ける。
その姿勢こそが、本来あるべき医療の姿ではないでしょうか。
妊娠は目的ではあるが、健康の代替ではない。
心身を本来の状態に近づける努力を放棄した医療は、短期的な成功と引き換えに、長期的な問題を先送りしているかもしれません。

原因は必ず存在する。
特定できないからといって、存在しないわけではない。
現代の不妊医療は、人類に大きな恩恵をもたらした一方で、「なぜ」という問いを不要にしてしまう危うさも抱えています。今、私たちはもう一度、病因に目を向ける必要があります。
妊娠することと、健康であることは同義ではない。
その当たり前の事実を、医療も、患者も、忘れてはなりません。
2025/11/29
睡眠は「長さ」だけで評価できるものではありません。
妊活中に目指したいのは、理想値を達成することではなく、
体がきちんと回復できているかどうかです。
統計的には、妊孕性が高い群に多いのは
7〜8時間前後の睡眠ですが、
これは「守るべき数字」というよりも、
多くの人にとって無理のない睡眠量と考えるとよいでしょう。

妊活中の睡眠は、次のような感覚を指標にしてみてください。
朝、目が覚めたときに極端な疲労感が残らない
日中、眠気やだるさで生活が回らなくならない
寝不足でも、寝過ぎでもない感覚がある
寝ること自体が負担になっていない
時間にすると結果的に
6.5〜8時間程度に収まる人が多いですが、
「何時間寝たか」よりも
**「寝て回復できているか」**が主役です。
① 就寝時刻より、起床時刻を整える
毎日同じ時間に起きることは、
排卵やホルモン分泌のリズムを整える助けになります。
② 夜の過ごし方を“緩める”
夜は活動の質を下げる時間帯です。
仕事・情報・刺激を少しずつ手放すことで、
自然と眠りに入りやすくなります。
③ 「眠らなきゃ」を作らない
妊活中ほど、
「今日はちゃんと寝ないといけない」という意識が強くなりがちです。
この緊張自体が、眠りを遠ざけることもあります。
「睡眠が大事なのは分かっているけれど、眠れない」
これは妊活中、とてもよく聞く声です。
ここで大切なのは、
眠れないことを“問題”にしすぎないことです。
眠れないとき、多くの場合、
体が疲れていない
体は疲れているが、神経が休めていない
頭と体のリズムがズレている
といった状態が背景にあります。
つまり、
「眠れない=意思が弱い・努力不足」ではありません。
① 日中に体を使っているか
軽い運動、外出、日光を浴びること。
体を使っていないと、夜に眠る材料が不足します。
② 夜まで“緊張”を持ち越していないか
仕事、スマホ、情報、考え事。
交感神経優位の状態のままでは、眠りは浅くなります。
③ 寝床を「考える場所」にしていないか
布団の中で妊活のこと、数値のこと、将来のことを考え続けると、
脳は「ここは活動の場だ」と学習してしまいます。
眠れないときは、
無理に寝ようとしない
一度布団を出る
照明を落とし、刺激の少ない時間を作る
それだけで十分なこともあります。
「眠れない夜がある」こと自体は、妊娠の妨げではありません。
睡眠は、
頑張って取るものでも、管理し尽くすものでもありません。
体が整えば、眠りは自然とついてくる
眠りが整えば、体の回復力が上がる
この循環を作ることが、
結果的に妊活にもつながります。
数字はあくまで目安。
「眠れたかどうか」も気になるところですが、
体が少しずつ元気になっているかを大切にしてください。
それが、
妊活中に目指したい「ちょうどよい睡眠」です。
不妊症に悩む船橋市のあなたへ
2025/11/29
東洋医学では、眠りは「脳だけの現象」でも「気合で取るもの」でもありません。
眠りとは、体全体が自然に休息へ向かえる状態になった結果として訪れるものです。
眠れないということは、
「眠ろうとしていない」のではなく、
体がまだ休める状態に整っていないというサインでもあります。

東洋医学では、睡眠は次のように捉えられています。
日中:陽が外へ向かい、活動する
夜間:陰が内へ集まり、回復する
この切り替えがスムーズに起こることで、
自然な眠りが生まれます。
眠れない状態とは、
陽がいつまでも外に浮いている
陰が不足して、体を内側から支えられない
といった、
陰陽の切り替えがうまくいっていない状態と考えられます。
妊活中は、
将来への不安
数値や結果への意識
生活の変化
頑張ろうとする気持ち
などから、
心身ともに「緊張」を抱えやすくなります。
東洋医学的に言えば、
気が上に昇りやすい
肝が張りやすい
心が落ち着きにくい
状態です。
このようなとき、
体は夜になっても活動モードを手放しにくくなり、
眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりします。
日中に体を使わないと、
夜に休むための「材料」が不足します。
軽く体を動かす
日光を浴びる
外の空気に触れる
こうしたことは、
夜に自然と陽を内側へ戻す助けになります。
陰とは、体を内側から潤し、支える力です。
寝不足が続く
冷えが強い
疲れが抜けない
といった状態では、
陰が消耗しやすくなります。
夜は、
強い刺激を避ける
食べ過ぎ・飲み過ぎを控える
情報を減らす
ことで、
陰が働きやすい環境を作ります。
東洋医学では、
心(しん)が安らぐと、眠りが深くなると考えます。
考え事が止まらない夜は、
体ではなく「心」がまだ働き続けています。
布団の中で答えを出そうとしない
明日の自分に預ける
今日を終える合図を作る
こうした習慣が、
心を休息へ導きます。
鍼灸は、
眠りを「起こす」ものではありません。
緊張した神経を緩め
巡りを整え
体が本来のリズムを思い出す
そのための外からのサポートです。
鍼灸によって、
寝つきが良くなる
夜中に目が覚めにくくなる
朝の疲労感が減る
といった変化が現れることがありますが、
それは体が無理なく休める状態に近づいた結果です。
眠れない夜があっても、
それ自体が妊活の失敗ではありません。
眠りは、
体が整えば、自然とついてくるものです。
数字を気にしすぎず、
「ちゃんと眠れているか」ということ以上に、
**「体が少し楽になってきているか」**を見てください。
眠りは体全体の状態の結果
妊活中は緊張により眠りが乱れやすい
陰陽の切り替えを助ける生活が大切
鍼灸はその調整を外から支える手段
睡眠は、妊娠のためだけのものではありません。
体を大切に扱った結果として、
妊娠という出来事が、
その延長線上に訪れることもあるのです。
不妊症で悩む船橋市のあなたへ

