💧 冷え性(冷え症)について — 東洋医学から見る「冷え」の本質
2025/11/27
一般的には「冷え性」と表記されることが多いですが、
東洋医学では「冷え症」 と書くことが多く、これは単なる「体質」や「傾向」ではなく、
治療すべき一つの症状(病態) として考えます。

❄️ 自覚のある冷え・ない冷え
冷え症には、自分で「冷えている」と自覚できるものと、そうでないものがあります。
たとえ自覚がなくても、体を温めることで体調や症状が軽くなる場合は、
それも「冷え症」と捉えることができます。
つまり、冷えとは「本人の感じ方」によらず、体の機能の低下として現れるサインなのです。
🩸 冷えを招く生活習慣とストレス
冷えの原因には以下のような要因が深く関係しています。
食生活の乱れ
ストレス
睡眠不足
運動不足
これらは互いに関わり合い、悪循環を作り出します。
特に精神的ストレスは、自律神経のバランスを崩し、**交感神経が過剰に働く(交感神経過多)**状態を引き起こします。
すると血管が収縮し、血流が悪くなり、結果として冷えを招きます。
🌙 ストレス・睡眠・疲労の関係
交感神経が優位なままでは、体は常に「緊張状態」にあり、深い眠りを得ることができません。
すると疲れも取れず、また冷えが進行するという悪循環に陥ります。
ストレスの軽減は理想的ですが、
職場環境や家庭、人間関係など、簡単に変えられないものも多いのが現実です。
そのため、意識的にリラックスできる時間を持つこと、軽い運動を取り入れることがとても大切になります。
☯️ 東洋医学でみる「冷え症」=「陽虚症」
東洋医学では、冷え症はしばしば 「陽虚(ようきょ)」 と呼ばれます。
これは、陰陽のバランスのうち「陽」=体を温める力が不足している状態です。
つまり、自ら体を温めるエネルギー(熱)が弱いということです。
さらに、その根底には 「気虚(ききょ)」 があります。
気とは生命エネルギーのことで、これが不足すると
疲れやすい
回復しにくい
体がだるい
といった症状が出やすくなります。
そして気が不足することで陽も生まれにくくなり、結果的に冷えを招くのです。
🍽️ 食事の重要性
冷え症の改善において、食事はとても重要です。
食べること自体が「熱」を生む行為であり、エネルギーの源です。
しかし、ただ食べるだけではなく、「何をどう食べるか」が大切です。
体を冷やす食べ物(生野菜、冷たい飲み物など)を控え、
温かいスープ、根菜類、発酵食品など、体を内側から温める食材を選びましょう。
🌼 冷え・疲労・不眠のつながり
冷え、疲労、不眠――これらはそれぞれ別の症状に見えますが、
実際には**密接に関係しており、同じ根っこ(気血の巡りや自律神経の乱れ)**から生じます。
どれか一つだけを治そうとしても根本解決にはならず、
全体を整えることが大切です。
逆に言えば、どれか一つが改善すると、他の症状も自然と良くなっていくのです。
🧘♀️ まとめ
「冷え性」は単なる体質ではなく、「冷え症」は治すべき症状。
自覚がなくても、温めて改善するなら冷え症の可能性あり。
ストレス・睡眠・運動・食事のすべてが関係する。
東洋医学では「陽虚」「気虚」としてとらえ、体のエネルギー不足が根本原因。
一部だけでなく、全体のバランスを整えることが改善の鍵。
冷えは「体の声」でもあります。
まずは自分の生活習慣を見直し、できるところから温める意識を持つことが大切です。
📒冷え症ノート
























